



○車窓に広がる海の景色 - ビューポイントで徐行運転も
今回の試乗会は



続いて3・4番線ホームへ移動し、「伊豆クレイル」の入線を待って外観の撮影会が行われた。「伊豆クレイル」は特急形電車651系をリニューアルした4両編成。ジュエリーを思わせるピンクゴールドと白を基調としたエクステリアに、伊豆ゆかりのモチーフである「桜」「海風」「さざ波」がライン状に描かれている。列車名の頭文字を組み合わせたエレガントなロゴも配され、

車内ではまず4号車に案内され、その後、駅員の見送りを受けながらの発車となった。4号車は回転式リクライニングシートと固定式ボックスシートを配置し、座席数は計52席。乗車券と指定券で利用可能だ。食事付きの旅行商品として販売される1・3号車とは異なるエコノミーなクラスだが、質感の高いインテリアでリゾート列車のムードを気軽に楽しめる感覚だった。海側には青、山側には緑のシートが配され、それぞれエクステリアと共通のモチーフがデザインされている。通路のカーペットは、川面を流れる桜の花びらをイメージしたとのこと(1~4号車共通)。
列車が発車した後、筆者は2号車へ移動することに。





2号車はバーカウンター&ラウンジで、沿線の人気店「箱根ベーカリー」製のサンドイッチ、伊豆特産のニューサマーオレンジを使ったタルトをはじめ、スナックやフードメニューなどが販売される。あえて食事の付かない4号車を選び、これらのフードを気ままに楽しむのもアリだな……と思った。その他にも、お土産として伊豆の特産品や伝統的な食材、「伊豆クレイル」オリジナルグッズとして「かまわぬ」の手ぬぐいや「

○より記憶に残る体験を提供する1・3号車

1号車は海側に面した2名用カウンター席と、山側の2名用向かい合わせ席が配置された計24席。開放的で広々としたスペースを実現しながらも、たとえば海側のシートはカウンターに向かって平行ではなく、少し内向きになるように配置されるなど、2人で過ごす空間も大切にされていた。山側の席では、海の景色を楽しめるように床面を少し高くするといった心配りも。木製のひじ掛けがラグジュアリーだ。
3号車はコンパートメント席で、定員は22名。全室が海側に面していて、シートは


びゅう旅行商品では、この1号車・3号車にランチやアフタヌーンカフェをセットにして販売している。いずれも女性に人気というフレンチレストラン「モルソー」のオーナーシェフ、秋元さくら氏が監修した料理で、伊豆の食材を活かした美味しいものを少しずつ何種類もいただける、彩りも華やかなメニューとなった。
下り列車(



今回の試乗会では、下り列車で提供される「クレイルスタイル・サマーランチセット」のワンボックスランチの中から、「伊豆野菜を包み込んだバロティーヌ」など一部を試食することができた。どれも車内で食べやすいように工夫されており、常温で食材の風味がよく引き出されているのが印象的だった。
やがて「伊豆クレイル」は海岸線沿いを







今回の試乗を通じて、目的地に至るまでの「伊豆クレイル」での体験は、旅の重要な1シーンとして記憶に残るだろうという感想を持った。伊豆での旅に加え、非日常的なリゾート列車での「伊豆からの旅・伊豆までの旅」は、「あえて"ゆっくり行く"」価値を存分に感じられる。正直なところ、もっと列車に乗っていたいくらいだった。