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「女性はこう撮られたい!!」 - ポートレート講座で学んできた

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●参加者は男性限定、講師は女性写真家

写真に自信を持っている男性全員がショックを受ける言葉を聞いた。「女性がうれしいと感じるポートレートは、男性目線で見た写真の上手い下手とは異なることが多いのです」と語るのはフォトグラファーの佐藤倫子さん。いったいどのようなポートレートが女性に好まれるのか? それを会得するべく、佐藤倫子さんが講師を務めるニコンカレッジ「女性はこう撮られたい!! ポートレート撮影術」の現場に乗り込んだ。

勢いよく「乗り込んだ」などと書いてしまったが、ポートレートだからカメラはフルサイズの一眼レフ、レンズはやっぱり85mm F1.4か300mm F2.8か、などと気張る必要はなく、ニコンの一眼レフボディを持参すれば、いろいろな交換レンズを貸してくれるという贅沢な講座だった。

まあ実際、レンズを持たずに行ったのは私ぐらいで、他の参加者は愛用のカメラと交換レンズで完全武装。参加者は20名で10時から13時30分までの3時間半、都内のハウススタジオを借り、プロのモデルさんを撮影するというシステムだった。

○女性に好かれるポイントは3つ

受講者はハウススタジオの中で好きな撮影場所を決めて、男性目線で撮った「自分好みの写真」と女性に贈るための「プレゼント用の写真」の2パターンのベストショットを提出する。撮影に入る前に佐藤さんが、女性が撮られてうれしいポイントを3つ伝授してくれた。

○ポイント1. 女性は細く見られたい

男性から見て十分スリムに思える女性でも、撮影時はより細く写るように気を配ること。ポーズやアングルによっては、女性本人から不評を買うこともある。

特に「二の腕を太く撮るのはNG」。無意識に撮ると (撮られる女性から見て) 太く写りやすいので、細く見える角度を探す。また、腕を体に密着させないのもポイント。肘を後ろに引いてもらうと脇が開き、体と腕の間に三角形の隙間ができるので、ウエストのラインも出てくる。

腕を組む時は、カメラから遠い方の腕を上にすると、手前の腕が視覚的に大きく見えずに済む。手を組むときはボールを持つイメージで、丸を作るようにしてもらうとよい。一般的に男性のほうが女性より背が高いので、男性の目線の位置からそのまま撮ると、アングルが高すぎて足が短く写る。ローアングルのほうが足が長く、小顔に撮れる。

○ポイント2. 女性はお肌ツルツルに見られたい

最近のデジタルカメラは高解像度なのでお肌の毛穴まで写ってしまう。しかし、これは女性によろこばれるはずがない。毛穴、シミ、くすみ、そばかす、シワなどは極力隠したいもの。つまり質感ではなく肌質が重要。できれば順光は避けたいぐらい。

また、男性が思っているより、女性は肌を白く見せたいもの。ホワイトバランスに気を配りつつ、普段の感覚よりも露出を1/2~1段ぐらいプラスにして、明るく撮ってみるのがおすすめ。今回は自然光メインだが、レフ板やストロボを使って瞳にキャッチライトを入れてもいい。

○ポイント3. 女性はいい所をほめられたい

撮影するときは、モデルさんのいい所をほめてあげること。コミュニケーションをとらずに撮影すれば、より豊かな表情を引き出せます。撮影しながら、そのモデルさんのチャームポイントを一瞬で見抜く力を身に付けたい。

バリエーションを撮るためのコツは、まず顔の向きに変化をつけてもらうこと。正面向きから、右横向き、もう少し横向き、少し上向き、少しうつむく、など顔の向きを指示するだけでも表情は変わる。

●アッという間に過ぎていく撮影タイム
女性目線から見た「いい写真」の撮り方を伝授された我々は、ハウススタジオの部屋と屋外をロケハンしてどこで撮影するかを決める。一人ずつ順番にメインの撮影者を務めるが、その間も他の受講者は邪魔にならないように横から撮影してもいい。モデルに話しかけるのはメインの受講者のみなので、その一人が黙り込むと沈黙の中でシャッター音だけが鳴り響く。そんなときは、佐藤さんから「黙ってないで」とアドバイスが入る。

○持ち時間5分の真剣勝負

メインの撮影者が変わると、撮影場所も変わるので、モデルの片桐結奈さんとともに参加者が移動する。他の人が撮影している間に、自分の撮りたい部屋をロケハンする人もいて、結構自由な雰囲気だ。

講師の佐藤さんはサービス精神旺盛で、スタンドインとしてポーズを取ってくれる。メイン撮影者に与えられう撮影時間は1回5分だが、2分半で合図してもらって別の撮影場所に移動するというパターンが多い。

私も体験させてもらったが、撮り始めてから背景が気になってベッドを移動したり、どれぐらい露出補正すればいいかをチェックしたり、モデルさんに声をかけたりしているとアッという間に2分半が終了。

ハウススタジオ内の2階から1階に移動して続きを撮り始めるが、ロケハンの時と陽射しが違ったり、24mm F1.4から24-70mm F2.8にレンズ交換したりして、またまたバタバタする。モデルさんは手慣れたもので、指示をしなくても、どんどん表情を変えてくれた。

○女性目線の忌憚なき講評が

撮影後はベストショットを選んで番号をメモ、「男性目線=自分好みの写真」と「女性目線=プレゼント用の写真」の2点をメモリーカードと一緒に提出する。最後に講師の佐藤さんとモデルの片桐さんから忌憚のないコメントをもらう。

佐藤さんからは露出やレンズの選択など撮影テクニックに関するアドバイスも送られるが、本講座ならではの収穫は男性では気づきにくい女性目線の指摘。モデルさん本人に2枚のうちどちらが好みかを選んでもらうのも参考になる。ときには批判もいただくが、オブラートに包まずストレートに教えてくれるので、女性心理を理解しやすい。

こうして受講者たちは女性目線にかなう撮影術を会得して、今日から一皮むけたポートレートが撮れるようになったと実感するのであった。

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