
同成果は、

AESは広く無線LANネットワークなどで活用されてきたが、暗号処理は消費エネルギーが大きく、IoT機器でのセキュリティを確保するための課題となっていた。
今回、研究グループは、AES暗号アルゴリズムがガロア体として表現されることに着目し、入力の数表現を一度別の数表現に変換することで、その後の複数の演算を一度に計算できること、ならびに使用する回路素子を削減できることを見出したという。また、その後、逆変換を行うことで、本来の出力を容易に得られることも確認。これらの結果から、演算の前後に数表現変換と逆変換を挿入し、

さらに、同方式に基づいたAES暗号処理回路を設計・開発し、実験を行ったところ、従来比で45%程度のエネルギーで1回の暗号処理を実現できることを確認。暗号化と復号の両方が実行可能であり、SSLやTLSといった標準通信方式にも適用可能だと言う。
なお、研究グループでは今後、実際にシステムにこれらの暗号処理技術を搭載し、実証実験を行っていくとともに、ほかの暗号アルゴリズムへの応用も進めていくとしているほか、多様な攻撃に対する耐性を考慮した構成の検討を行っていくことで、将来のIoT機器向け通信の安全性向上につなげたいとコメントしている。