
きょう30日にスタートする連続テレビ小説『おむすび』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)の脚本を手掛けている


連続テレビ小説(朝ドラ)第111作となる『おむすび』は、


根本氏は、ギャルを主人公にした物語で新しい朝ドラを目指している。
「


ギャルについて調べる中で、本作の考証も担当している“パラパラ界の神”と言われたギャルのカリスマのルミリンゴを取材し、ギャルのポジティブさを感じたという。
「ポジティブを押し付けるではなく、自分たちがポジティブに楽しんでいるから、周りが明るくなっていく。周りに与える影響がすごいなと。彼女たちを見ていると元気になれるんです」
物語は2004年から始まり、ギャルブームが下火になりかけてきた時代を描いていく。
「そっちの方が面白いなと。ギャルが全盛期の時よりも、ちょっと下火になってもやり続けている子たちが今に通ずるなと思ったので、あえて下火になりかけているところから始めようと思いました。ブームの途中からヤンキーになる子と、ギャルをおしゃれにつなげている子で分かれていたので、一番そこがいいかなと。ギャルを貫いている人たちの方がかっこいいし面白いし、彼女たちを応援したくなるなと思ったので、そちらを取り上げるようにしました」
ギャルブームの頃、根本氏自身は20代。「ギャルの人たちと接することもなかったので、街でたむろっていて怖いなと。ビクビクしていた記憶があります(笑)」と当時のギャルの印象を述べ、「自分が若い頃は、ギャルの子たちのバックボーンなんて知らないで、単にたむろっているというイメージでしたが、大人になるにつれて元ギャルだった人に会ったり、見ていくうちに、普通の子だったり、いろんな事情を抱えた子だったんだなと感じました」と徐々に印象が変わったという。
もちろんギャルの格好だけではなく、ギャルマインドを大事に描いていくという。
「格好ではなく、生き方や悩みへの向き合い方がギャルらしくなっているように表現していくようにしています。それは、前向きだったり、どんなにつらい状況でも、明るく何とかなるっしょ! とか、周りを明るくするとか、そういうような表現で使っています」
●栄養士は「人の人生に一生関わる仕事」 ドラマになると確信
そして、「食をテーマにしたい」との思いから主人公がやがて栄養士になる物語に。
「作品を作る時に常に食にこだわるので、食をテーマにした作品にしたいなと。ただ、朝ドラでは『ごちそうさん』など食をテーマにした素敵な作品があるので、どう今までやったことのないものをやるかという時に、栄養士という仕事にたどり着きました。栄養士や管理栄養士さんは食べ物で人を元気にする職業で、妊娠して出産した後の離乳食といった病院での食事から、学校の給食、学食、就職してからの社食、あと、コンビニやレストランのメニュー開発をするのも栄養士さんで、さらに年老いて入院した時も管理栄養士さんが関わり、人の人生に頭から最後までずっと関わる仕事なんです」
根本氏は「栄養士という仕事は人の人生に食を通じて一生関わる仕事だとわかって、これはきっとドラマになるなと確信しました」ときっぱり。さらに、父親が癌で亡くなった際に、病院で管理栄養士が献身的に世話をしてくれた経験もあり、「栄養士を書くべきだ」との思いがあったと明かした。
初回から食事シーンが描かれるが、根本氏は「自分の作品の中で常に食を大事にしていて、どんな番組でもけっこう食べるシーンを意図的に出すんです。食べるという行為は、キャラクターと、キャラクターの人生が出るので」と食の重要性を強調する。
ちなみに、主演の橋本とヒロインの共通点を聞くと、「おいしそうに食べるとか、元気な感じは橋本さんの

橋本とは今回が初タッグとなる根本氏。本作ではコミカルなやりとりも描かれるが、橋本のコメディエンヌぶりを「素晴らしいです。もともとキャラクターをキャラ立ちさせるのがすごく上手で、コメディの感覚が優れているなと思っていましたが、ツッコミセリフや心の声でツッコんだりする時のトーンと間が完璧なんです」と絶賛し、「橋本さんだからどんどん笑いのセリフや間を入れても大丈夫だなと本読みの時に思いました。見事な間とタイミングだったので、この人ならもっと面白いシーンを入れても大丈夫だなと思い、笑いの部分がどんどん増えていると思います」と橋本が主演だからこそ笑いが増えていると明かした。
■根本ノンジ
1969年2月2日生まれ。


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