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仕事の効率もアップ!? - 学習後のアレと記憶力定着の関係が明らかに

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社会人になっても、学習をする機会は意外と多い。新規サービス導入にあたりマニュアルを覚えたり、クライアントによりよい提案をするために新たな知識を本から学んだり……。数えれば枚挙にいとまがない。

学習内容をすぐに把握・記憶できればいいが、なかなかそうはいかない。何度も反復作業を繰り返さないといけないのが普通なのだが、最新の研究は「学習後の運動」が記憶の定着には有効だと示唆している。

海外のさまざまな論文を紹介する「live science」にこのほど、「学習内容の定着と学習後の運動のタイミング」に関するコラムが掲載された。

オランダのラートボウト大学医療センター脳認知行動学ドンデルス研究所教授であるギーエン・フェルナンデス博士によると、学習した4時間後に運動をすると、学習後すぐに運動をした人や全く運動をしなかった人と比べて、約10%記憶の定着力が高かったという。そして、学習後の運動のタイミングが記憶に「中程度」の効果をおよぼすとしている。

研究は72人の男女を対象に実施された。参加者は、6つのコンピュータースクリーンのいずれかに表示される物を記憶するテストを40分間行った。その際、何がどこに表示されたかを覚えるように指示されたという。

記憶テストの後、参加者の3分の1は35分の強度の自転車こぎを行った。別のグループは、同じトレーニングを行う前に4時間待った。さらに別のグループは全く運動をしなかった。

その2日後、参加者全員が記憶の定着を調べるために同じテストを受け、その間に脳スキャンを受けた。そして、参加者がテストを受けている際の脳の活動パターンを分析した。

分析結果によると、記憶テスト後4時間たってから運動を行った人々は、2日後のテストで最も多くの情報を覚えていたことが判明した。運動をしなかったグループが2位の成績、すぐに運動したグループが僅差で3位だったとのこと。

学習後にすぐに運動するグループが、全く運動をしなかったグループよりも成績が悪かった理由はわからないそうで、フェルナンデス教授は「学習直後に運動をすると、心理的影響が学習したことを記憶として形成するのを妨げているのかもしれない」と話す。

また、フェルナンデス教授は、今回の研究では上述のような3つのグループだけだったので、「4時間」という時間が記憶定着に最適の長さか否かはわからならいと言う。そのため、学習の2時間後や8時間後では異なる結果が出るかなど、さらなる研究を行う予定としている。

※写真と本文は関係ありません

○記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)

米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。現在は大阪大学大学院言語文化研究科教授として教鞭を執る。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。

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