
学習内容をすぐに把握・記憶できればいいが、なかなかそうはいかない。何度も反復作業を繰り返さないといけないのが普通なのだが、最新の研究は「学習後の運動」が記憶の定着には有効だと示唆している。
海外のさまざまな論文を紹介する「live science」にこのほど、「学習内容の定着と学習後の運動のタイミング」に関するコラムが掲載された。
オランダのラートボウト大学


研究は72人の男女を対象に実施された。参加者は、6つのコンピューター

記憶テストの後、参加者の3分の1は35分の強度の自転車こぎを行った。別のグループは、同じトレーニングを行う前に4時間待った。さらに別のグループは全く運動をしなかった。
その2日後、参加者全員が記憶の定着を調べるために同じテストを受け、その間に脳スキャンを受けた。そして、参加者がテストを受けている際の脳の活動パターンを分析した。
分析結果によると、記憶テスト後4時間たってから運動を行った人々は、2日後のテストで最も多くの情報を覚えていたことが判明した。運動をしなかったグループが2位の成績、すぐに運動したグループが僅差で3位だったとのこと。
学習後にすぐに運動するグループが、全く運動をしなかったグループよりも成績が悪かった理由はわからないそうで、フェルナンデス教授は「学習直後に運動をすると、心理的影響が学習したことを記憶として形成するのを妨げているのかもしれない」と話す。
また、フェルナンデス教授は、今回の研究では上述のような3つのグループだけだったので、「4時間」という時間が記憶定着に最適の長さか否かはわからならいと言う。そのため、学習の2時間後や8時間後では異なる結果が出るかなど、さらなる研究を行う予定としている。
※写真と本文は関係ありません
○記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)
米国ウィスコンシン

